北の日々

北海道旅行へ行ったときのこと、やっと書きはじめられそうだ。旅行に行ってから1ヶ月と半月が過ぎる。それから今日までいろいろあったな。スケジュールも心も忙しかったけど、やっといま、落ち着いて時間がとれるから、書いてみようと思う。心はあまり落ち着いていないけど。
8.23
24時まで仕事をし、弟にトキハのバス停まで送ってもらって、早朝のバスに乗る。向う先は福岡国際空港。寝不足だけど、かわいくしたいから、バスの中でネイルシールを貼る。空港にはぎりぎりについた。バス降り場から国内線までが遠く、また時間にもともと余裕のない便で行ってしまったことから、本気で飛行機に乗り遅れるんじゃないかと焦った。でも結局、なんとかなる。
先に到着していた君から、北海道は大分と変わらないくらい暑い、と聞いていたとき、そうはいっても多少は涼しいだろうと高を括っていた。しかし新千歳空港につくやいなや、その湿度の高い夏の暑さにうだってしまう。

空港にかまってる暇はなく、待ち合わせのホテルに行くために電車に乗った。車窓から見える北海道の広い景色や、寄り添っているカップルを見て、長い時間電車に揺られていた。
札幌駅に着き、グーグルマップを見ながら目的地を目指した。それなのに全く違うところに向かっていて、全然たどり着かなくてわらった。やっとの思いでホテルに着き、ロビーで座ろうとしていると、すぐに君が来た。たぶん。君のほうが先だったっけ?わたしの記憶だと私が先について、ごめんお待たせ、といって登場した君にううん今来たとこ、って言った気がするけれど。それからチェックインして、ひとまずホテルの部屋に荷物を置いた。グルメの旅にでかけよう、とホテルの電気類を消そうとすると、暑いからエアコンつけっぱなしがいいよと言われ驚愕した。

まずは予約していたサッポロビール園に向かった。君は家族で昔来たことがあるらしい。まっすぐの道を歩きながら、北海道の空は素敵だなと思った。再会が札幌ておもしろいねとか、北ガスの建物はきれいとかずっとお話をしていた。中学生の英語の授業で、被らないものゲームでセイコーマートと発言したら先生にそんなコンビニは知らない、失格と言われ納得できなかったと君は言っていた。
ビール園のガーデングリルというレストランで、食べたいものを少しだけ頼んだ。まだラーメンとかソフトクリームとかいろいろな札幌グルメを食べたかったから、少量に抑えた。ソーセージとジンギスカン、カルビ漬けを頼んだ。私は朝からほとんど何も食べていなかったのでとても美味しく感じた。特にソーセージ。ジンギスカンも美味しかったのだけど、独特の風味があって少し苦手だった。ビール工房らしきものや豊かな緑を、大きな窓枠から眺めながら食べるごはんは贅沢だった。

続いておみやげやさんを見た。ピンバッジのがちゃがちゃをしては一喜一憂した。私はジンギスカンのピンバッジはかわいくないので要らない、というと、なんでかわいいじゃんと君が返すので、じゃああげるといって譲った。それから北海道型のプレートを見たり、どう考えても美味しくなさそうな味のキャラメルを見ながら罰ゲーム用に買おうかなんて話てた。

それからビール博物館に行った。ビールをつくる機械がひとつだけあり、まさかこれだけか?!と笑ったり、歴代のビールのポスターを見て、この画風が好きだなあという君につられて見ていたり、麦芽?のにおいを私にかがせて、どう?という君に、正直よくわからなくて返事に迷ったら、小さい頃嗅いで好きだったんだよね、いい匂いじゃない?って言われたり。ひと通りたのしんだあと、新たな札幌グルメを求めてすすきのに向かった。バスで行こうかという案も出たが、乗り方がよくわからなかったので結局歩いた。なんだかんだわたしたちはほとんど歩いているような気がする。向かう途中、大きい公共団地っぽいものの隣の公園を抜けながらなんかロシアみたいな風景だ、ロシアよく知らないけど、と喋ったり、空中階段のあるおもしろい2つ建ったビルを見かけてこういうの好きだなあと君がつぶやいたり、いろいろな発見をした。わたしたちは散歩が好きなのだ。すすきのに着き、カラフルな看板の彩りをみて、お〜ここがあの有名なすすきのか、となった。まずはお客さんが多いなら間違いないだろう、という魂胆で適当にラーメンやさんに入った。私はラーメンがあまり好きではないし、完全な空腹ではなかったから、1人1杯のラーメンを頼むのは不安だった。食べきれなかったら君にたべてもらおうと考えていた。だけど、札幌のラーメンはとてもおいしくて、1人で全部食べきってしまった。まず具がぜんぶ大粒だった。メンマにチャーシュー。特にメンマの大きさが桁違いだった。そしてスープ。みそに海鮮の出汁がきいたものだったと思う。お店で人気No.1のものにしてみた。通常3口くらいで結構です、となるラーメンだけど、ここのはほんとに美味しかった。そしてあつあつだった。スープも飲んでたぷたぷになったお腹をよっこらしょ、ともたげて熱気のこもったラーメン屋を出る。外はもう暗くなっていて、幾分か風が吹き始めたぶん涼しくはなったものの、まだまだ依然として暑いままだった。すすきのの鮮やかな看板の写真を撮る。飲みに来ている若者や、写真を撮る外国人観光客でとても賑わっていた。そこからぷらぷらと歩き、大きな公園に来た。街なかにあるには大きくてきれいな公園だった。現在の温度が表示されているビルや、札幌タワーが見えるその公園は、平日の夜だといるのにたくさんの人で賑わっている。とりあえず進んでいると、ベンチに座ってユーチューブ配信をしている女の人がいた。おもしろそうなのでわたしたちはその隣のベンチにすわり、女の人が配信をする様子を見ていた。やりたいことはやってみよう、ということをよく言っていた。あとはダンスをするらしかったので、それを見届けてから次の場所に行こうと思った。しかしこの後踊るよ!と言う割になかなか踊らないので、たぶんわたしたちは数十分くらいその公園にいつづけた。やっと彼女が踊って、私はそれを見て満足したので公園のさらに奥へと向かった。向かった先には夜闇に光る札幌タワー。札幌タワーのキャラクターは非公式なんだって、と君が教えてくれた。札幌タワーに登るかどうしようか、と話したが結局下から見て満足した。札幌タワーの麓にはビアガーデンがあり、会社帰りらしき人たちがたくさん楽しそうにお酒を飲んで、肉をつついていた。タワー乗り場にがちゃがちゃがたくさんあったので、がちゃがちゃマニアの私達は良さげなものがないか見てみた。北海道のかわいいマグネットがあったので、回してみるとふたりとも狙っていた物が出た。パステル調の、札幌タワーの丸みを帯びたマグネット。何気におそろいになって嬉しかった。それからホテルまで、北海道の夜道を歩く。たわいもない話をしたり、じゃれあいながら。ホテルに付く前に、北海道にしかないというセイコーマートにいこ、と君が行った。ただのコンビニだろうと思っていたのもつかの間、私のいちばん大好きなコンビニになった。そこで適当に買ってみたオリジナルのみかんジュース、おいしすぎて発狂した。北海道はみかんの生産地でもないしなんでこんなオリジナル商品があるのか謎だったが、とにかくおいしかったのでお土産用にもう2本買った。

ホテルに戻り、その後の記憶はあまりない。普段通り、私が先におふろに入って、それからベッドに入る。君がおふろに入る音を聞きながら眠りにつくのだ。

8.24
朝ごはんはバイキングだった。私たちはのんびりマイペースなところがあるので、レンタカーの予約時間がぎりぎりだったけど、構わずお部屋で朝ごはんをぜんぶ平らげた。いよいよレンタカーショップに向う際に、間に合わないかもという焦りもあったが、それ以上に暑すぎてもう朝から暑すぎるということが頭のおおくを占めていた気がする。レンタカーショップ、わたし1人じゃ絶対にわからないような場所に隠されていて、でもそれを1瞬で見つけた君がすごいなあと感心した。
レンタカーショップで手続きをしている間、前の客が忘れたであろう紙を見つけた。飛行機の便から食事をする店、バスの時間など綿密に練られた旅程表だった。丁寧にパソコンで制作されプリントされてたおり、明らかに時間をかけてつくられたものだったがカウンターに忘れられていたのが無念だ。

いざ案内された車は、ホワイトにうすい紫がかったラベンダー色だった。最初はあまり見かけない変な色だな、と思ったが、乗るに連れ愛着がわき、ラベンダー畑にいくのにうってつけじゃん、とお気に入りになった。
だがしかし知らない道の運転は緊張した。それに昨日、急に君が積丹岬に行ってうに丼が食べたいと言い出したので、急遽進路変更することとなった。まあせっかくだし行ってみるかと車を進めたものの、なんと行きたかったお店が店休日。でも違うお店がもういっこある!と気を取り直して、長い長い道のりを走った。途中で洋風のすてきな建物があったので、これなんじゃろと問うと、白い恋人パークとのこと。小さい頃家族で行って楽しかったらしい。今からいく?と聞かれ、正直少し迷ったが、わたしたちにはまだまだこれから行くべきところがたくさん持っているので、行かないことにした。それから、修学旅行のときに行った赤レンガの通りを通って懐かしいなと喋った。山とか海とかたくさんのものを駆け抜けた。駐車が怖かったり、めちゃくちゃ並んでいたりしたけど、うに丼はほんとにおいしかった。それからルスツリゾートに向かった。ホテルに着き、ホテルのエントランスから見える遊園地の入口やきれいな受付、いい香りのするエレベーター、3種類もある温泉などに心を躍らせ、荷物をおいて少し部屋を探索したあと、すぐに洞爺湖の方面に向かった。まずは生乳からである。絵本に出てきそうな、みどりと花に囲まれた囲まれたかわいいジェラートやさん。君がした駐車がへたくそすぎてふたりで笑った。ソフトクリームがお休みで残念だったけど、代わりのジェラートがとってもおいしくて満足した。それだけじゃない、

広いみどりや鮮やかな花、うさぎややぎ、ひつじ。自然があってのんびりしていて、とても好きだった。中国人観光客が多かった。そこで遊んでいたら、君に借りた白い帽子に、カラスにふんを落とされてさけんだ。あわてて石けんやタワシを駆使して落とそうと試みるもなかなか薄まらない。そういえば、そんな事件もあったね。今まで忘れてたけど懐かしい。うさぎに草をあげてみたり、ヤギのどくどくと脈打つおなかに触れてみたり、暑いけど、穏やかな空間だった。それから洞爺湖の展望台に行った。正直大きすぎて湖という感じはしなかった。広かった。そこで満足いくまで写真を撮ったり眺めたあとは、名物だという飲むマンゴーヨーグルトをいただいた。濃厚な甘さとさっぱり具合が絶妙。あついときに飲むヨーグルトはおいしい。

そして洞爺湖に向う。君が見たいと言っていた、千と千尋の神隠しに出てくるような、線路が水に沈んでいく場面があるらしかったのでそこへ向かった。今回の旅、ほとんど彼がどこに行くか決めているのは、もともと幼い頃に何度も北海道に来ていたという経験と、それゆえの北海道への興味があるからだろう。正直わたしは北海道にそこまで興味がなく、ただ君が行く場所ならどこへだっていきたい、という思いだけで来たのだ。君と旅行ができるなら。君と居られるなら。だから、君といっしょなら、どこでもよかった。
彼にナビゲートしてもらって、洞爺湖の周りを沿うようにぐるりと車を走らせる。今回の旅、本当に天気に恵まれた。雨も多少振ったが、それは車で運転中のときのみで、だから、私達が外で活動をする際に雨や風に邪魔されたなんてことはなくて、完璧な旅だった。

洞爺湖に着いたのはまだまだ明るい夕方だった。そこで私達はたくさん歩く。彼のお目当ての線路は、わりとすぐ見つけることができた。それで終わりかなと思ったけど、君はどんどんと歩く。大きな船。夜の花火はこの船に乗って見ようね、とか、志高湖では見たことのない白鳥ボート、乗ってみる?とか、ところどころある銅像やモニュメントと写真を撮ってみたりだとか。私が思っていたよりも、だいぶたっぷりの時間をそこで過ごした。私が間違えて帯広のナイトツアー申し込んじゃって電話で断わったりしたなあ、、 
花火の時間を考えてちかくでごはんを食べようかと話した。たくさんたくさん歩き、でもいい感じのところは満席で長蛇の列だったり。もう歩けない!と言い張る私に、歩けるね〜!と返すという茶番を30回くらいやった。

結局めちゃくちゃ歩いたけどどの店にも入らず、なにも食べなかった。正直そんなにお腹が空いていなかった。
そして君が、花火もいいけどせっかくのリゾートホテルだから、ホテルを楽しまない?と言い出した。私自身リゾートホテルに泊まったことがほとんどないのでホテルで過ごすということの想像が難しかったが、彼の言う通りにしてみた。結果、めちゃくちゃ楽しかった。