Macau,HongKong 2

かなり長文になってきたのでシートを切り替える。やはり3泊4日の海外は濃密である。

9.20

この日は君が早く起きていた。いつも私より後に寝ているのにすごい。体力の差か?わたしが起きようとすると、まだ寝とけ!というからそれに甘えてごろごろしていたら、もう朝シャンまでなにまで済ませた君が早く起きろ!!とか手のひらをかえしだしたのでこいつ、、、と思った。緑のひらキラドレスで一悶着あり、おそろいのマラッカTシャツを着た。何気に2日連続でおそろいのTシャツを着られたことが嬉しかった。

チェックアウトの時間が11時までだったので、比較的だいぶゆっくりと10時くらいにホテルを出た(たぶん)。君は1階で換金したりわたしはトイレに行ったりした。バスで駅まで行き、そこで君はオクトパスカードを買った。ここから長い長い1日がはじまる。
電車で香港市内に向かう。乗り継ぎに不安があったり、コインロッカーがなかなか見つからず悪戦苦闘した。コインロッカーについては永遠に行ったり来たりして埒があかなかったので、近くに立っていた警備員らしい人にCOIN ROCKER ?ときいたら、SE7EN ELEVEN.と帰されたので、いやまさかセブンイレブンには無いだろうと指示された方に向かうとなんとびっくりありました。無事にコインロッカーを見つけ、やっと旅に出れるという安心感を覚えつつ、やはり人に聞くのがいちばん早いなと実感した。

朝ごはんをたべておらずおなかが空いていたので、飲茶やさんに向かった。駅からお店までの道のり、海外に来た感が強くて楽しかった。マーケットとかごちゃごちゃしたビル群とか、日本人が全くいないところとか。そして短パンにTシャツ、帽子を被った君はバックパッカー感、旅人感が強く、そのごちゃごちゃとした道の景色に似合っていた。とても暑い空気の中、少し汚い道を進んで飲茶やさんについた。店内はほぼほぼ現地人で、ふたりともそういったお店が大好きなのでぴったりだった。テーブルにすわると汚れた水が入ったボウルが置かれ、ふたりして何だこれは?と笑っていた。たくさんあるメニューから食べたいものを好きなだけ頼んだ。ボウルが回収された後に、実は飲茶やさんでは食器を使う前にお茶でひと通り洗うという慣習があること、そうしないと衛生的で無いということを知った。愕然とした。それに気づいたのはもうかなり飲茶も食べすすめ、お茶も飲んでいた頃だった。店内の他の客を見ていた君がそのボウルの使い方に気づき、私もそれから他の客を見てみると、たしかにお茶で洗っていた。ガン見していたいかつめのお兄さんからガン見されかえした。もう使ってしまったものはしかたない。全く気持ち悪くないといえば嘘になるが、わたしたちはもう進むしか無いのだ。
飲茶、めちゃくちゃおいしかった。中国語も読めないし飲茶に詳しくないので、メニューの写真を見て美味しそうだと思ったものを適当に頼んだり、君が調べてくれたおすすめを選らんでみたが全部おいしかった。今まで味わったことのないぷるぷるとした不思議な食感や、噛むほどに変わる味覚、パクチーパクチーはふたりとも嫌いだけどなんとけっこうな割合で食べ物に入っていた。誤算。えびシュウマイにも入っていた。いらない。大根ケーキはさっぱりしていてとてもおいしかった。黒いクリームまんじゅうには金色の装飾が施されていてリッチだと思った。周りのお客さんの様子を眺めるのが楽しかった。隣のテーブルに座る欧米系のお姉さんと軽く会釈をしたり、お姉さんが頼んだ食べ物をみてわ〜おいしそう!というのが楽しかった。現地人っぽいお客さんが死ぬほどテーブルを汚していて香港を感じた。君曰く床もべちゃべちゃで最高に汚していたらしい。最高だね。

お腹が満たされた後は、まちをぶらぶらした。ネイザンロードに行きたいという私の願望におもむき、飲茶やさんから徒歩15分ほどだったので行ってみた。途中、デパートに入って現地人にまぎれて日本の商品が売っている様子を見たり、とんちき日本語看板を見て笑ったりしていた。なんだかんだ歩いて到着したネイザンロード、写真で見たような看板がたくさんひしめき合っている様子は見ることができなくて残念だったが、気になるあの子で頭から離れなかったフレーズ、「タクシー飛ばしてよ 九龍からニューヨークへ」の九龍に来られて満足した。香港の家事情はどんなだろうか、都市部が高いのだろうか安いのだろうか、都市部はアクセスは良さそうだけど見る感じかなり年季が入っていてあまり高い感じはしないねという話をしたり、写真をたくさん撮ったりして歩いた。君が気になる、というのでメインストリートから外れた階段を登ることにした。正直体力的にきつかったし相当暑かったし、この後体調崩すだろうなとは思ったけれど、君の行きたいところに行くのがいいと思って、着いていった。結果体調は崩さなかった。階段を登ってマレー系のおばさまとすれ違ったり、高いところから見える香港の学校の様子、女子の制服が真っ白のワンピースでとてもかわいいとか、そういうことを発見しながらどんどん上に進んで行った。少し山っぽいところに入ったり。世界まち歩きみたい、こういう観光観光しているところじゃなくて、脇道にそれたところが好きだなという話をしていたら公園についた。現地のおじちゃん達がおしゃべりしたり、トリの声をききながら、彼がトイレから帰ってくるのを、木陰のベンチで水を飲みながらのんびり待っていた。おじちゃんの声がクソデカボイスすぎて笑った。公園のトイレ、意外ときれいだったしめちゃくちゃ広くて何か、期待を裏切られた。いい意味で。地元の高校生が体育の授業で公園のテニスコートに来ていた。彼らが準備運動をする様子を見学し、どこへ出るかもわからないまま、歩いてみることにした。こんな変なところ絶対自分たち以外に観光客はいないだろう、と言った1秒後にバックパッカーが見計らったように目の間を通り過ぎていったので、そのタイミングの良さにまた笑った。ホテルか?高級マンションか?よくわからない派手な色の建物を通り過ぎたり、犬の散歩をしている人たちとすれ違ったり、バスに乗りたいなという話をして随分歩いた。地下みち行くエレベーターがとても涼しくてしばらくエレベーターに引きこもりたいとか、そういえば香港にきて動物を全く見てないけど何かあるのか?!とかJKに着いていけば間違いないだろとついて行っていた女の子がJDだったとか色々話しながら進んだ。適当に話していたのになんだかんだ駅がある都会みたいなところに着いた。やっぱり人生は進んでいればなんとかなる。

彼が行きたいというデパートに向かう。しかし暑さの中でひたすら歩いてわたしたちは疲れたので、いい感じのカフェでひと休みすることにした。クレープらしきものと、飲み物を頼んだ。かっこいい兄ちゃんが店員さんで、お客さんもいい感じだった。私が頼んだぷちぷちした種が這入った飲み物、めちゃくちゃおいしかった。火照った体に染みた。ちょっと炭酸っぽかったけど、嫌な感じではなく、その食感もおいしいと思えた。初めて飲んだ不思議な飲み物だったけど、おいしかった。彼が頼んだものは死ぬほどまずかった。スタバのヤニカスドリンクをおいしいといいながら飲んでいたときも思ったが、この子、やばい味覚をしている。そしてデザートのつもりで頼んだクレープ、実はお餅のはいった卵焼きだった。海苔もかかっていて、まさかのオカズ系かよと思いつつ食べたけど、なんとこれがばちぼこに美味しかった。うますぎて彼とふたりで感動した。ふらっとなんの気無しに立ち寄ったカフェでこんなにおいしいものが食べられるとは。さすが香港。それから駅に向かうまでは、たくさん生きていたころの姿のままぶらさげられたお肉を見たり、臭い屋台を通ったり、小さなドラッグストアに入ってみたりした。そういえば家族がタイに行きたいらしいと話すと、じゃあいっしょに行こうかなと彼が言ったので、ふたりで行けばいいじゃんと返すと、1言も喋らずに終わるだろうけどねと言われた。何じゃそりゃ。あとはタイとかマレーシアのほうが臭いとか、君は東南アジア系いったこと無いから香港が充分臭いと思うとかそういう話もした。

電車でお目当てのデパートに着いた。彼が行きたかったのはかわいい雑貨やさんだった。しかしお目当ての商品がなかったらしくがっかりしていた。私はその間雑貨やさんを物色してかわいいタンブラーを見つけたり、隣のお店の高速回転する小さな観覧車とかのオブジェを見たりして楽しんだ。そういえば駅の広告で見かける児童的科学という本がおもしろそうだから買いたい、というとじゃあ本屋さんを探そうとなった。しかしそのデパートに本屋さんは無かったため、彼が本屋さんのあるデパートを探してくれた。そこに向かう途中も、おじさんに道を聞いてなんとかたどり着いた。そこはめちゃくちゃ豪華なデパートだった。シャネルとかそういうハイブランドしかなくて、とにかく清潔で高級な香りのするデパート。こんなところにいかにも庶民派な児童的科学が売っているのだろうかと思いつつ、タッチパネル式の案内板を頼りに本屋さんに向かった。おしゃれすぎる現地に住む外国人向けみたいな洋書が多い本屋さんで、当然ながら児童的科学は無かった。残念。それから椅子に座って休憩をして、そろそろ夜景の時間にむけてピークトラムへ出発しようかと話した。しかし巨大すぎるデパートから出る場所がわからず、間違えてものすごく暗い人間の闇みたいなところに入ってしまった。こんなにきらびやかで清潔な空間に、扉ひとつ隔てただけで何十、何百のたばこの吸い殻が重なった重く暗い空間があることにものすごく驚いたしなんだか人間の闇だなと感じた。

逃げるようにその場を去り、なんとかきれいな外の街へ出ることができた。君が公園を通っていこうと当初はいっていたが、わたしの力量不足により公園への行き方がわからず普通の町中を歩いて向かった。普通といってもすごく豪華だしおもしろかった。協会の前も通った。そして到着したピークトラム。想像よりも街なかにあり、乗り場へ行くにも巨大なスクリーンのなかをエスカレーターで登っていくのでわくわくした。しかもピークトラム自体もものすごい長い距離を上へ上へとぐいぐい進んでいくからアトラクションみたいで楽しかった。てっぺんに着くまでに、もう夜景が見え始めていてわあ、となった。通り抜けていく高層マンションの部屋の様子が窓から見えておもしろい。私は人の生活風景を見るのが好きだなと改めて実感した。

展望台のある建物に着いた。商売おしつけのお土産売り場をしょっぱなから通らされたのはおもしろかったし、夜景を見る気満々で屋上までエスカレーターで登った。途中の階でゲームセンターとかトリックアートとかいろいろあって最上階に着いたものの、入場料が必要とわかりすぐに来た道を下った。途中のベランダで夜景をみた。その建物から出て、とてもきれいな夕陽をみた。隣の建物の屋上から夜景が見えるのではないか?いやいやそんなまさか、、と隣の建物に上がるとなんと見えた。展望台じゃなくていいやん。穴場すぎる。ただ人が多すぎてなかなか最前線で夜景を見られなかった。友だち同士できてる男子三人組とかひたすら写真をとってる人たちとかいちゃこらしてるカップルとか。しばらく待ってやっと夜景を見ることができた、ほんとにきれいだった。しばらく眺めていた。そのあと少しその建物を散策し、帰りのピークトラムに乗って牛肉麺をたべようと話していた。しかし行きと違って帰りの列はめちゃくちゃ並んでいた。待ち時間も色んな人を見るのが楽しかった。牛肉麺たべるのやめていっこ早い便でマカオ帰らん?という案も出たがいや最終便でもいけるっしょという彼の押しに負け、じゃあせっかくだしそうするか〜となった。ちなみにこのトラムの列に並んでいるとき、すでに夜の7:30くらいだったのだが、わたしたちの夜はまだはじまりに過ぎなかった。ここから眠れない長い長い夜がはじまる。テレビの撮影とかインド人っぽいお父さんを見ながら列を待ち、ピークトラムに乗って下町の駅まで戻った。そこから牛肉麺のお店まで歩く。歩いて20分くらい。私は疲れていたのでタクシーに乗りたかったが彼に励まされてなんとか歩いた。欧米系の兄貴たちが集まるバーの通りとか、お兄さんたちが水を撒いて掃除している階段を降りたりしてなかなかディープな夜の街を歩いてお店についた。しかし現金決済のみで、麺1杯分の現金しか持ち合わせていなかったわたしたち。彼が急いでお金を下ろしに行ってくれた。今の旅で思ったのは、多少多めにお金をおろしておいたほうがよいということ。意外と現金オンリーの場面は多い。ひとりで行ってくるからいいよ、と行って彼は夜の香港に消えていった。わたしは階段に座ってゴキブリとか、仕事帰りのお兄さんがお店に入って行くのを見ていた。数分たって、そういえば全く知らない異国の地でひとり行動てけっこう危ないのでは、しかも夜だしと思い始めて、怖くなって彼にラインをした。結果ふつうに戻ってきたので良かった。やっとの思いで入った牛肉麺のお店、地元の人がたくさんで従業員との距離が近く回転率がはやくてがちゃがちゃしていてとても好きだった。彼は事前に調べておいしそうだと言っていたカレー麺、私はぱっと見で美味しそうだったシンプルな牛肉麺を注文した。麺は日本のインスタントのうどんみたいに平べったくて少しもちもちで、スープもあっさりしていてとってもおいしかった。パクチーが入っていることに途中で気づき、できるだけ除去しながら食べた。お店にいる間、わたしたちのメニューをそのままふたつたも注文して動画を撮り、しかし口に合わなかったのか7割ほどを残して去っていったアメリカ系兄貴や、その麺なんのメニュー?と聞いてきた中国人の家族とテーブルを同じくした。兄貴の分、わたしは自分の麺を全部たべてスープもたっぷりのんだ。香港の人てけっこう気軽に話しかけてくれるな、人懐っこい国大好きだなあと思った。そこからフェリー乗り場に行くために、駅まで歩いた。かなり時間に余裕があったので、高級めなスーパーに寄って雪見だいふくやお菓子を買ったりしてみた。食べる場所がなかったのでマックに寄り道した。ハッピーセットを頼もうとたのしみにしていたわたしたちだったが、香港のオマケがあまり心惹かれるものでなくよくわからないプラスチックの棒みたいなものだったのでヨーグルトだけ頼んだ。雪見だいふくはあまり日本と変わらないな、と私は思ったけれど彼は日本のものより粉っぽいねと言っていて、そう言われたらそんな気もするかもと思いながらもにもにと食べていた。グレープフルーツ味の口臭を消すお菓子?やっぱり彼は気に入ったみたいでおいしいおいしいとたべていたが、私にはきつすぎて無理だった。マックのブルーベリーヨーグルトでお口直しをした。そのあともスーパーを見かけては入ってみて、変わった形のペットボトルを見たり、ハーゲンダッツがあほみたいにでかかったり高額だったのを見るのが楽しかった。寄り道をしながら夜の道をどんどん歩いた。夜は短し歩けよ乙女。ゴキブリに叫んだりしながら、ゴキブリにびびりまくる彼がおもしろかった。駅に向かう途中、そういえば荷物を預けたコインロッカーのあるセブンイレブンは24時間営業なのか?と彼が言い出して、確かにめちゃくちゃ大事なことを確認していなかったなとふたりで焦った。もし荷物が閉じ込められてたらどうしよう、まあそれはそれで面白話になるなとどこか楽観的に思っている自分もいて、ハプニングがあるのが楽しいなと思った。22時頃にコンビニにつき、なんとか荷物を受け取れる無事を確認した。どうやら23時までは開いているらしい。フェリーの出発時間が23時で、22:30に乗り場に行けばよいから、それまでちょっと香港を惜しもうと彼が提案した。セブンイレブンを物色し、店員のお姉さんに児童的科学ありますか?と聞くと全身を使って探してくれて、でも結局なかったんだけど、そんなに必死に探してくれるんならええわあと感心した。セブンイレブンを見て満足したあと、タイパ行きのフェリーのチケットだけ先に購入し、海沿いを歩いた。ジャッキー・チェンみたいな半裸で走ったり筋トレしてるお兄さんがたくさんいた。

ランニングしてるお姉さんとか散歩している人がちらほらいる中で、わたしたちは香港の光る夜景と夜の海を見ながら楽しかったね、また来ようねという話をした。なかなかエモい1場面である。キラキラした彼の顔。素敵で好きだ。
そしてそろそろ時間やばいんじゃないか、とセブンイレブンに戻ったときに事件は起こった。
コインロッカーをいざ開こうとしたとき、現れた文字【現金オンリー】うわお。現金はあったものの、なんと600香港ドル/回と思っていた利用料金は600香港ドル/2時間で、なんとひとりあたり3000円くらいの現金が必要だった。あいにくさっきの牛肉麺でそんな現金は手元に残っていない。このときすでに22:20を過ぎていた。パニックになるわたしたち。どうする!やばい!とにかく地下に行って現金引き出さなきゃ!と全速力で地下まで走り、急いで戻って息を切らしながら荷物を取り出した。そのときもう22:27とかで、船に乗れなかったらどうしようという不安が強くめちゃくちゃ焦った。ただハプニングすぎてめっちゃおもしろいなとも思った。フェリー乗り場に向かう途中、館内はもうお掃除タイムに入っていて、清掃員のおじさんたちが何か言ってるが構わず走った。そしたらカーペットで盛大にすべってころんだ。めちゃくちゃ痛かったが、ハプニングの連続すぎてそれすらもおもしろかった。
なんとかフェリー乗り場に着いて、待合室に入れたときの安堵感はすごかった。これでとりあえずはマカオに行ける。深夜の最終便にも関わらず客は多かった。でも日本人はわたしたちだけのようだった。